H30までの経緯
1 これまでの経緯
H17 伊勢原市公立小中学校アンケート(市は今もこのアンケートを市民の意見と言っている)
中学校の給食がどうなると良いと思うか(数字は小数第一位四捨五入)
小学生 | 中学生 | 小保護者 | 中保護者 | 小教職員 | 中教職員 | |
弁当を続けてほしい | 45% | 31 | 4 | 8 | 20 | 52 |
学校で宅配弁当が注文できると良い | 9% | 9 | 11 | 16 | 28 | 40 |
選択制給食になると良い | 20% | 24 | 12 | 13 | 16 | 3 |
小学校と同じような給食があると良い | 15% | 22 | 70 | 60 | 26 | 3 |
分からない | 9% | 15 | 3 | 2 | 10 | 2 |
・給食実施の課題…給食指導と昼休みを15分伸ばすことに中学校の教職員が反対。財政不足。
H17.7~18.2 中学校給食推進検討委員会→スクールランチの導入→利用率ずっと2%前後
H19.9 長塚市長が中学校給食導入検討委員会設置を決定。市P連は委員選出を求められる。
H19.12.1 中学校給食について、市P連会長情報委員合同会議で話し合う。
H19.12~ 中学校給食導入検討委員会開始→委員から市主導で進められることに懸念の声
H20.4.30 中学校給食導入検討委員会を「市P連OB有志の会」として傍聴する。
H20.6~ 市長・市教育委員会宛に質問書提出。出前ミーティング実施。再質問書提出。
H20.12.22 中学校給食導入検討委員会報告書…選択制を含めたセンター方式若しくは完全委託方式が現実的な手法
H21.9.15~市内すべての中学校で、平日19時からの日程で保護者向け説明会を実施
(出席保護者 成瀬中31名 伊勢原中40名強 山王中26名 中沢中 ? )
・初めて弁当箱の給食を導入する予定になっていることを知った保護者から疑問多数。
・保護者へのアンケートを実施する予定はないという市の担当者に批判。
H21.11.16 市議会・教育委員会・市長に、「市P連OB有志の会(市P連が選出した委員、公募の2人の委員、山王中・成瀬中・伊勢原中・高部屋小・竹園小・大山小・大田小・成瀬小・伊勢原小・桜台小・石田小の元PTA役員の方々、以上の連名)」として、「伊勢原市中学校給食導入にあたり、今年度中に決定としている「給食方式」決定の延期、および十分な議論と保護者への説明を求める陳情」を提出→市議会…採択 教育委員会…不採択 市長…教育員会を尊重
H22.2 市内すべての小学校で、平日14時からの日程で保護者向け説明会を実施(青少年センターでは土曜日に説明会を実施)。保護者から以下の質問、要望が出る。
・完全委託方式に、新設と既存と2種類あり、新設だと20年総経費は他の方式とほぼ同じで既存だと他の方式より安いが、算出方法も既存の業者の有無も説明されない。
・親子方式が自校よりも高いのは、小学校の給食も同時につくれる施設を想定しているのに、そのことへの注釈もない。他の方式とそのまま比較するのはおかしい。
・子どもが減っていく試算になっていないことがおかしい。
・アンケートを取ってほしい。(しかし、市はこれを検討するとも言わなかった。)
・伊勢原市には委託する業者がないことを説明していない。
・説明会で出た意見は反映されるのか?(市は明確な答弁をしなかった。)
H22.3 教育委員会議において、市の方針が否決される
その後しばらく、中学校給食について市の報告はなかった。
H29.10 教育委員会の会議で「デリバリー方式(加熱式)・選択制」を決定。1回で決定。
H29.12~ 市議会で、川添議員、安藤議員、舘議員が質問。
2 H30時点での現在の問題点
1.喫食率の問題…市は、H22は冷たい弁当だったので理解が得られなかったが、副食の再加熱の施設を各中学校に用意し温かい副食を提供できるので理解を得られると言う。しかし、他市の事例では、選択制デリバリー給食の喫食率は30%程度。(鎌倉市、原則全員、約80%。大磯町、全員、食べ残しが多い、異物混入。三重県亀山市、選択制温かい、アンケートでは希望者60%だったが実際は30%台。大阪府牧方市 選択制温かい、30%台。寒川町、今年度中に始める予定だった選択デリバリー方式をやめセンター方式に変更の予定。)
2.教育上の意義…選択制では食育にはならないという質問に対し、市は弁当も食育だと説明。
3.税金の公平性…選択する世帯だけに税金が使われることに対して説明がない。小学校の給食は、約300円の食材費を保護者が負担、約300円の諸経費を市が出している。中学校給食を選択制にした場合、選択した生徒にだけに1人当たり1か月5000円以上の税金を使うことになるが、様々な事情で選択できない(しない)生徒には使われない。
4.お弁当を食べる時間がないという中学生の声も聞く。日課の見直しに対して中学校教職員が反対していることも、小学校のような配膳する給食が実現しない理由になっていると思われるが、日課の見直しは必要ではないか。全国では90.2%の中学校が完全給食(主食おかずのある給食)を実施していて(神奈川全国ワースト27.3%。次は兵庫62.9%)、89.1%(単独調理場26.9%、共同調理場62.2%)は配膳をしている。神奈川県だけ出来ない理由はない。
5.配膳の問題…選択しない生徒も給食当番を割り当てられるのか?お弁当の生徒は給食が配られるのを待たなくてはいけないのか?選択した生徒に対する差別が心配。
6.試算の信憑性…①市は、H17のアンケートをもとに50%の生徒は選択しないだろうと想定をしているようなので、デリバリー給食における50%の試算もしているはず。しかし100%の数字しか公表していない。②親子給食の試算は小学校分まで含んでいる。③現状から1食あたりの面積を算出し、食数をかけ算して必要な面積を出し、土地建物代金を計算している。
7.市は、再来年度末に1校で試行するとしているが、試行の結果の判断基準は未定と発言。
8.伊勢原市内に無いので他市の業者に発注することが決まっているのに、説明していない。
「神奈川県は中学校給食実施ワースト1なのでそれを解消したいが、教職員から配膳に時間と労力をさけないという要望があるので、デリバリー方式しかない。アレルギー対応などができないので選択制にするしかない。」が市の本音で、児童生徒保護者第一では無いと、私は思っています。選択制デリバリー給食は“弁当作り終了”と思った保護者が、子どもから「給食は食べたくないからお弁当を作って」と言われ、結局作ることになる可能性が高い方式です。詳細を知らせず、保護者の疑問質問に答えもせずに進めれば、実施後に問題が出てきます。ハマ弁のように、利用率1.7%、1食あたり2984円(報道された6313円は開始当初の数字)になっているのに、5年契約なので続けざるを得ないというようなこともあるかもしれません。
市がこのまま進めてしまわないように、市議会に対して「中学校給食導入に当たり、市民及び保護者への説明会を実施し、意見を反映させることを求める陳情」という陳情書を提出したいと思っています。陳情書の文面をお配りしました。ご賛同いただける方は署名をお願いします。署名用紙を友人知人に配っていただけるとさらにありがたいです。また、自校給食に賛成という方は、「伊勢原の給食を考える会」の署名にもご協力ください。
週1日でも生徒みんなが同じものを食べる給食を実現するべきだと思うし、小学校の給食室の老朽化問題や今後の子どもの減少なども考慮した、より良い方法があるのではないかとも思います。市民保護者児童生徒が意見を出し、その意見を反映した議論が深まることを望みます。
2020年に中沢中学校で選択制デリバリー給食(加熱式)が先行実施され、その後2021年に残り3校でも実施されている
2017年、いきなり、議論もなしに教育委員会議で、選択制デリバリー方式が認められてしまいました。それで作られたのが「伊勢原の給食を考える会」です。このいきなりの決定で分かるように、現在、市は、市民の声を聞く気は全くありません。市議会も市の方針に反対するのは共産党の市議だけになってしまっています。H21のやり方では市の方針を変えられません。
2020年に4中学校のうち1校で、選択制デリバリー方式(加熱式)の中学校給食が始まりました。当初、市も30%くらいの想定をしていたのですが、温かいからか、喫食率が毎月65%くらいあります。喫食率が高いのは悪いことではないのですが、それでいいとは思いません。
中学生の昼食時間が、まず不安がないこと、できれば楽しみであること、そして栄養があること、さらにこれから長く続く自らの健康を維持するための知識が身に着くものになっていること。これらを満たさない給食でないといけません。65%だからと言って、選択制デリバリー方式でいいわけがありません。